簿記をメンダコといっしょに学ぶブログ

簿記の勉強のためのブログです。日商簿記3級、2級。

約束手形とは?

約束手形とは

約束手形ってなに?

約束手形は、代金を後払いにするときに振り出す証書で、振出人が代金の受取人に対して支払いの期日や金額を約束するためのものだよ。

小切手との違い

小切手に似てるね。前に「現金・預金と小切手のはなし」のときにやったことと違うのかな。

小切手は、振り出す人があらかじめ当座預金にお金を入れておいて、受取人は銀行でいつでも現金に交換できるというものだったよね。約束手形の場合は期日を決めておいて、その日に支払うというものだから、受取人は期日まではお金を受け取れないよ。

そっか。期日を決めるのが約束手形なんだね。

買掛金や売掛金との違い

後払いの時は買掛金とか売掛金も使ってたけど、それとも違うの?

買掛金や売掛金は口約束に近いようなものだけど、約束手形を振り出すと法律的な強制力が強くなるよ。「当座借越とは?」のときに不渡小切手の話をしたけど、約束手形も守れないと不渡りとなって会社の信用が落ちて倒産のリスクが高まるからね。

そうなんだ。受け取る側としては安心だよね。支払う側のメリットはあるの?

約束手形のほうが買掛金より支払いまでの期間が長くなる傾向があるよ。買掛金よりも期日を遅らせたい場合に使うんだね。

約束手形の仕訳

仕訳はどうなるのかな。

約束手形の取引では、「支払手形」勘定と「受取手形」勘定を使うよ。

手形の振出人が「支払手形」で、受取人は「受取手形」を計上するんだね。

振出人の仕訳

練習してみよう。商品1,000円を仕入れて、約束手形を振り出しました。

振出人は支払手形だから・・・

(借方) (貸方)

仕入 1,000 / 支払手形 1,000

うん!そうだね。では支払いの期日が来て、代金を当座預金口座から支払ったときの仕訳をしてみよう。

さっきの支払手形を取り崩して、当座預金を減らせばいいんだね。

(借方)   (貸方)

支払手形 1,000 / 当座預金 1,000

受取人の仕訳

逆に商品を売った側の人の仕訳はどうなるかな。1,000円の約束手形を受け取ったよ。

商品を売り上げて、受取手形を計上するんだね。

(借方)   (貸方)

受取手形 1,000 / 売上 1,000

オッケー。では当座預金口座に代金が振り込まれたときの仕訳をしよう。

受取手形を取り崩して、当座預金を増やす。

(借方)   (貸方)

当座預金 1,000 / 受取手形 1,000

約束手形は今後廃止される

そういえば噂で約束手形が廃止されるって聞いたんだけど、ほんと?

2026年を目処に廃止されるっていう方針が発表されたらしいね。簿記の試験も変わるかも。

手形が無くなったらどうなるのかな?

手形のデジタル版で、電子記録債権・債務というものがあって、それに置き換わるかも。それも日商簿記3級の範囲に入ってるよ。次回その話をしようかな。「電子記録債権とは?

じゃあ手形の勉強をした意味は無くなるの?

いや、電子記録債権・債務の処理のルールは、手形のルールをもとに作られている部分が多いから、手形の理解があると分かりやすくなると思うよ。だから勉強としては手形のことも知ってて損はないと思う。

そうなんだ。ならよかったよ。

まとめ

  • 約束手形は、振出人が受取人に対して代金の支払い期日や金額を約束するための証書。
  • 「支払手形」勘定と「受取手形」勘定を使う。
  • 約束手形は2026年を目処に廃止される方針が発表されたが、勉強としては電子記録債権・債務の理解に役立つかも。