簿記をメンダコといっしょに学ぶブログ

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当座借越とは?

当座借越の意味

当座借越って何?

当座預金の残高が不足したときに銀行に代わりに払ってもらうことだよ。当座預金と小切手については「現金・預金と小切手のはなし」でもやったけど覚えてるかな?

代金の支払いのときとかに小切手を振り出した場合、小切手を受け取った人が銀行に持って行って現金を受け取る。それでその代金は振出人の当座預金から引き落とされるんだよね。

そう。受取人が小切手を銀行に持って行って現金を受け取ろうとしたときに、当座預金の残高が不足していたらどうなるだろう?

受取人は現金を受け取れなくなるのかな。

そうだね。銀行が支払拒絶をするんだ。そうなると、その小切手は「不渡小切手」となる。

不渡りを起こすってドラマとかで聞いたことがあるな。会社が倒産する話とかで。

不渡りを出すと、会社の信用を落とすことになるから、倒産に追い込まれるということにもなりかねない。なので、不渡りを防ぐために、あらかじめ銀行と「当座借越契約」を結んでおくんだ。

当座借越契約があると残高が足りないときに銀行が払ってくれるんだね。

あらかじめ決められた借越限度額までだったら銀行が支払ってくれる。

それであとから銀行に返すの?

そういうこと。自動で銀行から借り入れた状態になってるってことだね。

借入金と同じかな。

うん。仕訳としても、決算日に当座預金がその状態だったら、借入金勘定か当座借越勘定に振り替えることになるよ。

当座借越の仕訳の練習

では考えてみよう。まず、3月1日に当座預金口座を開設して、1万円預け入れたとしよう。そして5千円までの当座借越契約を結んだ。このときの仕訳は?

単純に現金1万円を当座預金に入れた仕訳を考えればいいのかな。

  (借方)     (貸方)

3/1 当座預金 10,000 / 現金 10,000

うん。じゃあ3月3日に12,000円の商品を仕入れて小切手を振り出したときの仕訳をしよう。

小切手を振り出した時は当座預金の減少にするんだよね。

  (借方)     (貸方)

3/3 仕入 12,000 / 当座預金 12,000

でも当座預金は10,000円入れて12,000円減ったから2,000円マイナスになっちゃったね。

そう。その2,000円が当座借越となって、決算日に振替をするよ。そのときの仕訳をしてみよう。

当座預金が2,000円の貸方残高になってるから、借方側に減らして、当座借越勘定に振り替えるんだね。

   (借方)     (貸方)

3/31 当座預金 2,000 / 当座借越 2,000

正解。借入金勘定を使うこともあるよ。

翌期首の再振替仕訳

翌期首になったら再振替をするよ。

再振替?

当座借越勘定に移していたぶんを、また当座預金勘定に戻すんだ。

じゃあ、期末の仕訳の反対の仕訳をすればいいんだね。

   (借方)    (貸方)

4/1 当座借越 2,000 / 当座預金 2,000

当座預金出納帳

当座借越になっていても、期中は「当座預金」で処理してるだけだから、内容が分かりにくそうだね。

その場合は、当座預金出納帳っていう補助簿を作って、取引の内容や残高などを詳しく記入することがあるよ。

補助簿?

仕訳帳と総勘定元帳のことを主要簿って言ったけど、主要簿だけだと分かりにくいような詳しい内容を補足するために補助簿をつくることがあるよ。現金の場合は現金出納帳とか。

いろいろあって混乱しそう。

補助簿はあくまでも補助的なものだから、厳密なルールがあるわけじゃなくて、会社によって違ってて、必要に応じて作るものだよ。だから、そういうものがあるっていうざっくりとした理解でもいいと思う。

そうなんだ。ならちょっと安心。

まとめ

  • 当座預金の残高が不足した時に、借越限度額まで銀行に支払ってもらうのが当座借越。
  • 当座預金勘定が貸方残高のまま決算日を迎えたら、当座借越勘定か借入金勘定に振り替え、翌期首に再振替をする。
  • 当座預金の詳細を記入するために当座預金出納帳という補助簿を作る場合がある。