貸倒引当金の個別評価と一括評価(貸倒実績率)簿記2級
個別評価と一括評価(簿記2級)
個別評価と一括評価ってなに?
貸倒引当金をいくらにするか算定するときに、その金銭債権の相手先で、なにか問題があって貸し倒れになる可能性が特別高い債務者がいる場合に、その状況に合わせて個別で貸倒見積高を計算するのが個別評価だよ。
貸倒れのリスクが特別高い時は個別評価をするんだね。それ以外の債権は一括評価になるの?
そうだね。特別な問題がない一般債権は貸倒実績率などを使って一括で見積もるよ。それが一括評価。
貸倒実績率?
貸倒実績率は、過去に発生した貸倒れの実績をもとにして決められるよ。簿記の試験では問題文で与えられるよ。
問題文で与えられた割合を一括で掛けて貸倒見積高を求めればいいんだね。
貸倒引当金の設定の仕訳
では練習してみよう。決算日の売上債権は売掛金が50,000円と、受取手形20,000円がある。貸倒引当金残高は一括で3,000円ある。売掛金のうち10,000円はA社に対するもので、経営状態が悪化しているため50%の貸倒引当金を見積もる。それ以外の売上債権は一括して貸倒実績率1%にもとづいて貸倒引当金を設定しよう。差額補充法で処理しよう。
A社の売掛金10,000円だけ個別評価をするんだね。50%だから貸倒見積額は5,000円だね。
それ以外は一括評価をしよう。
残りは売掛金40,000円と受取手形20,000円で、合わせて60,000円だね。貸倒実績率1%を掛けて、600円が一括評価の見積額だね。個別評価のぶんと合わせると5,600円だね。
当期の貸倒引当金繰入額はいくらになるかな?
差額補充法だから、今の貸倒引当金残高3,000円と貸倒見積額5,600円との差額で2,600円を繰入れればいいんだね。
(借方) (貸方)
まとめ
貸倒引当金の3級の内容について
貸倒引当金の基本的な内容についてはこちらの記事をご覧ください。
差額補充法とは?(貸倒引当金) - 簿記をメンダコといっしょに学ぶブログ
貸倒引当金の補足 当期に発生した債権が貸し倒れたとき - 簿記をメンダコといっしょに学ぶブログ
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