減価償却とは?
減価償却とは
減価償却ってなに?
簡単に言うと、固定資産の取得にかかった費用を期間ごとに計上していくことだよ。前回、「有形固定資産とは?」で有形固定資産を取得する時の話をしたよね。
備品とか建物とか車両運搬具とかを買った時だね。
有形固定資産を取得した時は、取得にかかった額を資産として計上するよね。そのときは費用は計上しないんだ。
付随費用もまとめて取得原価に含めて、資産とするんだったね。
そのあと、営業活動で長く使っていくわけだけど、時の経過とともにその価値は減っていくんだ。
だんだん古くなるからね。
価値が減少したぶんを、決算の時に減価償却費という費用としていく。これが減価償却だよ。
そのときにやっと費用が計上されるんだね。
償却額の計算(定額法)
固定資産の取得時にかかった費用を使用する期間ごとに配分するよ。
取得原価を期間で割ればいいんだね。
そう。この期間のことを耐用年数と言うよ。
固定資産を使う年数ってこと?
そうだね。使えなくなるまでの年数だね。そしてその年数が経った時の処分価額を残存価額と言うよ。
使えなくなっても価値が残る場合があるんだね。
なので取得原価から残存価額を引いた額を耐用年数で割れば、1年分の減価償却費になる。この計算方法を定額法と言うよ。
定額法以外にもあるの?
定率法というのもあるけど、日商簿記3級で出るのは定額法だけだから、まずは定額法を覚えよう。
定額法のほうが簡単なんだね。
式にするとこうだね。
減価償却費 =(取得原価 ー 残存価額)÷ 耐用年数
日商簿記3級だと、残存価額はゼロの場合が多いよ。
残存価額ゼロなら、単純に取得原価を耐用年数で割るだけだね。
減価償却の仕訳について(間接法)
次に仕訳の話だけど、借方が何になるかは分かったよね。
減価償却費が費用だから借方だね。
そして貸方に減価償却累計額を計上するよ。
それはどういう勘定なの?
減価償却累計額は、有形固定資産の価値を減らした額の合計を意味する勘定だよ。
固定資産の額を直接減らすわけじゃないんだね。
直接減らす方法もあって、それは直接法と言うよ。そして減価償却累計額を使うのが間接法。
両方あるんだね。
でも日商簿記3級では間接法が出題されるから、まずは間接法をマスターしよう。
減価償却の仕訳の練習
練習してみよう。今日が決算日。期首に取得した自動車を定額法で減価償却しよう。取得原価は300,000円。耐用年数は5年。残存価額はゼロだよ。
期首っていうのはその期の最初?
そうだね。期首に取得して期末の決算日だから、ちょうど1年分の償却額を考えればいいよ。
じゃあ300,000円を5年で割って、60,000円の減価償却だね。
(借方) (貸方)
オッケー!今回は期首に取得した場合だったけど、期中に取得した場合は月割りして計算するよ。それはまた次回練習しよう。
まとめ
- 有形固定資産の価値の減少ぶんを処理することを減価償却と言い、減価償却費という費用を計上する。
- 定額法の減価償却費 =(取得原価 ー 残存価額)÷ 耐用年数
- 間接法では有形固定資産の価値の減少ぶんを減価償却累計額勘定に集計する。