三分法とは?分記法との違いなど
商品売買の三分法
三分法ってなに?
三分法は、商品売買のときの処理の仕方のひとつで、「仕入」、「売上」、「繰越商品」の3つの勘定を使う方法だよ。仕入れた時の金額を仕入勘定、売ったときの金額を売上勘定で処理するよ。
仕入が費用で、売上が収益だね。繰越商品はいつ使うの?
繰越商品は資産の勘定なんだけど、期中の取引では使わないよ。決算のときに棚卸しをして、商品の在庫を繰越商品として次期に繰り越すよ。
期末にまとめて計上するんだね。
三分法は実務でもよく使われている方法だよ。簿記の試験でも三分法を使って仕訳をしてね。
三分法以外にも方法があるの?
うん。例えば分記法っていうのがあるよ。分記法は「商品」勘定と「商品売買益」勘定を使う方法。以前は日商簿記3級の範囲だったんだけど、2021年度からは3級の出題範囲から削除されたよ。
じゃあ分記法はあんまり重要ではないんだね。
そうだね。まずは三分法をしっかりマスターしよう。
商品売買の仕訳の練習
練習してみよう。11月3日、300円の商品を掛けで仕入れました。
掛け?
掛けっていうのは、後払いにしたってことだよ。そのときはお金の減少はないけど、支払いの義務が生じる。
支払いの義務は負債だったね。
そう。「買掛金」という負債を計上しよう。
じゃあ買掛金が貸方で・・・
(借方) (貸方)
11/3 仕入 300 / 買掛金 300
正解。次は売ったときの仕訳を考えよう。11月5日に商品500円を掛けで売り上げました。
掛けで売った時は売掛金かな。
そう!代金をあとで回収できる権利だよ。
権利ってことは資産だから、増えたら借方計上だよね。
(借方) (貸方)
11/3 売掛金 500 / 売上 500
正解!
分記法の場合
ちなみにさっきの売上の仕訳を分記法にするとこうなるよ。
(借方) (貸方)
11/3 売掛金 500 / 商品 300
商品売買益 200
分記法の場合は販売のたびに原価と売価の差額を出して、商品売買益という利益を計上するんだ。
売った時の額だけじゃなくて、仕入れの時の原価と利益の額も考えて記帳しないといけないんだね。
そうなんだ。毎回利益の計算をしないといけないってこと。だから取引が多い場合にはその計算の手間を省いて、期末にまとめてできる三分法のほうが期中の仕訳が楽になるので、よく使われているってこと。
なるほど。商品とか利益のほうが言葉としては分かりやすそうに感じたけど、期中の仕訳は三分法のほうがシンプルなんだね。
うん。まずは三分法をしっかり身につけよう。
まとめ
- 三分法は商品売買の処理方法のひとつで「仕入」、「売上」、「繰越商品」勘定を使う。
- 期中に使うのは「仕入」と「売上」。期末に原価と利益をまとめて計算して「繰越商品」を計上する。
- 分記法では販売のたびに利益の計算をする。