小口現金とは?
小口現金ってなに?
小口現金っていうのは、ふだん発生する少額の経費の支払いのために用意しておく現金のことだよ。
基本的にはお金は銀行に預けておくけど、ちょっとした支払いに現金を使う場合があるもんね。でも現金は現金勘定があったけど、それとは使い分けるの?
うん。小口現金勘定は、定額資金前渡制度(インプレストシステム)を採用している場合の処理に便利に使えるよ。
なんか難しそうな用語が出てきた!
意味は難しくないよ。支払いのたびに経理の人が仕訳をするとたいへんだから、小口現金の担当の人(小口係)に一定額を預けておいて、小口現金勘定で処理する。そして、一定の期間が経ったら、報告を受けて、まとめて仕訳をして、使った分の現金をまた小口現金に補給するって流れ。
細かい支払いがたくさんあっても、期間ごとにまとめて一度の仕訳でよくなるんだね。
そういうこと。
小口係の人はお金を何に使ったか記録しておくの?
小口現金出納帳に記録しておくよ。
現金出納帳とか当座預金出納帳みたいな補助簿かな。
そう。小口現金出納帳も補助簿の仲間。それで記録しておいて、まとめて報告するよ。
それをもとに仕訳をするんだね。
小口現金の仕訳の練習
では仕訳を考えてみよう。11月1日、小口係に1万円の小切手を渡したときの仕訳をしよう。
小切手を振り出した時は当座預金の減少にするんだよね。
小切手については「現金・預金と小切手のはなし」でやったよね。
そして小口現金勘定を増やすんだね。
(借方) (貸方)
11/1 小口現金 10,000 / 当座預金 10,000
OK!では11月5日、小口係から報告を受けたときの仕訳をしよう。内容は、旅費交通費2,000円、消耗品費3,000円、通信費1,000円だよ。
費用だから借方に計上して、相手勘定は小口現金を減らせばいいんだね。
(借方) (貸方)
11/5 旅費交通費 2,000 / 小口現金 6,000
消耗品費 3,000
通信費 1,000
うん!では11月8日、また小切手を渡して小口現金を補給しよう。
6,000円使ったぶんを補給すればいいんだね。
(借方) (貸方)
11/8 小口現金 6,000 / 当座預金 6,000
正解。仕訳としてはそんな流れになるよ。
まとめ
- 小口現金は、日々の少額の支払いのために用意しておく現金。
- 定額資金前渡制度(インプレストシステム)は、小口係に一定額を渡しておき、一定期間後にまとめて報告を受ける方法。
- 報告を受けたらまとめて仕訳をして、小口現金を補給する。