立替金、預り金、法定福利費
今回は立替金と預り金と法定福利費の仕訳をしよう。3つとも保険料の支払いに関連して登場する勘定だよ。
立替金とは
立替金は立て替えたときに使いそうだね。
名前からしてそうだね。取引先が負担する費用を立て替えて当社が支払ったときに立替金勘定を使うよ。
ほんとは相手負担のものを当社が立て替えたときね。
従業員が負担する費用を立て替えた場合は、「従業員立替金」とする場合もあるよ。
保険料とかかな。
そうだね。
従業員立替金の仕訳
では、従業員が負担する保険料1,000円を現金で支払ったときの仕訳をしよう。
従業員立替金だね。
(借方) (貸方)
従業員立替金 1,000 / 現金 1,000
預り金とは
次は預り金だよ。
お金を預かったってこと?
うん。従業員の所得税とか社会保険料を給料から差し引いて、会社で預かったときに使うよ。
給料明細に書いてあるやつね。
そうそう。所得税を預かったときは「所得税預り金」。社会保険料を預かったときは「社会保険料預り金」とするよ。
預かった額を実際に支払ったときに取り崩すんだね。
法定福利費とは
社会保険料は、従業員負担分だけでなくて、会社負担分もあるよね。
確か半分は会社が負担することになってるんだよね。
そう。その会社負担分を払った額については、「法定福利費」勘定を使うよ。
なるほど。じゃあ社会保険料を納めるときは社会保険料預り金と法定福利費を合わせて使うんだね。
預り金の仕訳
練習してみよう。給料を支払う時の仕訳だよ。給料が200,000円で、そこから所得税の源泉徴収ぶん20,000円と社会保険料25,000円を差し引いた額を、普通預金から振り込んだ場合の仕訳をしよう。
えっと、給料を支払うときはどうするんだっけ?
「給料」という費用の勘定があるよ。
そっか。じゃあ借方が給料になるわけだね。で、所得税預り金と社会保険料預り金を計上して、残り155,000円を普通預金から振り込んだから減らすんだね。
(借方) (貸方)
給料 200,000 / 所得税預り金 20,000
社会保険料預り金 25,000
普通預金 155,000
法定福利費の仕訳
では、社会保険料を納めるときの仕訳をしよう。従業員負担分が25,000円で、会社負担分も25,000円、合わせて50,000円を現金で支払ったとしよう。
従業員負担分はさっきの社会保険料預り金を使って、会社負担分は法定福利費だね。
(借方) (貸方)
社会保険料預り金 25,000 / 現金 50,000
法定福利費 25,000
オッケー。保険料などを立て替えて先に払った場合は立替金、先に預かったときは預り金、会社負担分は法定福利費、という違いが分かったかな?
うん。給料の話になると、もらう側の視点で考えてしまいがちだけど、会社目線で考えを整理しなきゃね。