利益剰余金と当期純利益の関係
利益剰余金と当期純利益の違い
利益剰余金と当期純利益の違いがわからなくて混乱するよ。
当期純利益は、その名の通り、当期の利益がいくらかってことだよ。簡単に言うと、損益計算書の貸借差額ってこと。
当期純利益は当期の利益なんだね。利益剰余金はちがうの?
利益剰余金は、貸借対照表の資本の科目だよ。毎期の利益を積み上げてきたものの合計だね。
貸借対照表だから、今の時点で合計でいくらあるかってことを表してるんだね。
そう。貸借対照表が今の時点の状態を表していて、損益計算書が1年の変化を表しているっていう違いがわかっていれば、なんとなくわかるかな?
その違いなんだね。
決算のときの処理
では、決算のときにどう処理されるのかを考えよう。まず、収益と費用の各勘定の貸借差額を計算して、それを損益勘定に振り替えるよ。
収益から費用を引いた額になるからそれが当期純利益なんだね。
ちなみに、費用の方が多かったら、当期純損失になる。
そっか。そういう場合もあるよね。
そして、当期純利益の額のぶん、繰越利益剰余金勘定を増やす。
繰越利益剰余金は貸借対照表の資本だね。
そう。繰越利益剰余金勘定には、過去の利益の積み上げがあって、そこに当期の利益が加算されるっていうイメージだよ。
加算するって、仕訳としてはどうするの?
損益勘定から繰越利益剰余金勘定に振り替えるって考えると分かりやすいかな。
なるほど。じゃあ借方が損益になって、貸方が繰越利益剰余金になるってことだね。
そういうこと。
決算時の仕訳の練習
では決算のときの処理の練習をしてみよう。わかりやすくするために、収益と費用が、売上と給料だけだったとして考えてみよう。
実際はもっとたくさん科目があって、集計するんだよね。
うん。今回はシンプルに、当期の収益が売上1,000円で、費用が給料200円だけだったとして、まずは損益勘定に振り替えてみよう。
売上は貸方残高で、給料は借方残高になってるから、それぞれ反対に仕訳して、損益勘定に移動させるんだね。
(借方) (貸方)
売上 1,000 / 損益 1,000
損益 200 / 給料 200
これで、損益勘定は借方に200、貸方に1,000という状態になってる。貸方のほうが800多いから、当期純利益は800ということになるね。
じゃあその800を繰越利益剰余金に加算するんだね。
損益勘定から繰越利益剰余金に振り替えるイメージで仕訳しよう。
繰越利益剰余金は資本だから増えたら貸方だね。
(借方) (貸方)
損益 800 / 繰越利益剰余金 800
いいね。ざっくりとだけど、こんな感じで当期純利益が計算されて、繰越利益剰余金に加算されるっていう流れだよ。
まとめ
- 当期純利益は損益計算書の貸借差額。当期1年間の利益を表す。
- 利益剰余金は貸借対照表の資本の科目。過去の利益を積み上げた合計。
- 決算のときに、収益と費用の勘定から損益勘定に集計して当期純利益を出して、その額を繰越利益剰余金に加算する。