簿記をメンダコといっしょに学ぶブログ

簿記の勉強のためのブログです。日商簿記3級、2級。

売上原価を仕入勘定で計算する仕訳(三分法)

売上原価とは?

売上原価ってなに?

売上原価は、当期に売り上げた商品の原価のことだよ。売上高から売上原価を引くと、売上総利益の額を計算できる。そのために期末に売上原価の額を計算する必要があるよ。

売上高 - 売上原価 = 売上総利益

三分法の場合

どうやって計算するの?

計算の仕方はいくつかあるけど、今回は、三分法の場合に仕入勘定で計算する方法をやるよ。

三分法ってなんだっけ?

三分法は「三分法とは?分記法との違いなど」で説明しているけど、仕入、売上、繰越商品の3つの勘定で期中の取引を処理している場合だよ。

仕入れたときの原価を仕入勘定で仕訳しているから、それが売上原価になるの?

そうなんだけど、仕入れた数と売った数が違う場合があるよね。仕入勘定は当期に仕入れた額になっている。前期末の在庫を当期に売った分や、当期末の在庫の額をもとにして、当期に売った分の原価を計算する必要があるよ。

そっか。じゃあ繰越商品の額も関係してくるんだね。

下の図が、商品のボックス図だよ。左右の額は一致するから、差額で売上原価を求めることができることが分かるよ。

f:id:mendaco_boki:20211220205031j:plain

商品ボックス図

期首商品棚卸高と当期商品仕入額を足して、期末商品棚卸高を引くと売上原価になるよ。

期首商品棚卸高 + 当期商品仕入高 - 期末商品棚卸高 = 売上原価

決算整理仕訳の方法

仕訳としてはどうなるの?

こんな仕訳になるよ。

仕入 xxx  / 繰越商品 xxx ←期首商品棚卸高

繰越商品 xxx / 仕入 xxx ←期末商品棚卸高

決算の仕訳をする前は、仕入勘定の残高は当期商品仕入高になっていて、繰越商品勘定の残高は前期から繰り越されてきた額、つまり期首商品棚卸高になっているよね。なので、繰越商品勘定の残高を仕入勘定に振り替えて、期末商品棚卸高の分をを仕入勘定から繰越商品勘定に振り替えるという仕訳をするよ。

そうすると、仕入勘定に期首商品棚卸高が足されて期末商品棚卸高が引かれるから売上原価になるってことか。

そして繰越商品勘定は期首商品棚卸高が無くなって、期末商品棚卸高が足されて残るから、それが次期に繰り越されるよ。

仕訳の練習

では練習してみよう。期末商品棚卸高が200円。当期商品仕入高は1,000円。期首商品棚卸高は100円だった。売上原価を仕入勘定で計算する仕訳をしよう。

期首商品棚卸高と期末商品棚卸高を使えばいいんだよね。

(借方)   (貸方)

仕入 100   / 繰越商品 100

繰越商品 200 / 仕入 200

そう。この場合売上原価はいくらになったかな?

期首商品棚卸高100 + 当期商品仕入高1,000 - 期末商品棚卸高200だから、売上原価は900円だね。

その通り。仕訳のやり方は「し・くり・くり・し」のリズムで覚えてもいいよ。

仕入、繰越商品、繰越商品、仕入の順番だから「し・くり・くり・し」なんだね。

まとめ

  • 売上原価は、当期に売り上げた商品の原価。売上高 - 売上原価 = 売上総利益
  • 期首商品棚卸高 + 当期商品仕入高 - 期末商品棚卸高 = 売上原価
  • 仕入 xxx  / 繰越商品 xxx ←期首商品棚卸高

    繰越商品 xxx / 仕入 xxx ←期末商品棚卸高

  • 売上原価を仕入勘定で計算する仕訳は「し・くり・くり・し」で覚えることができる。

mendaco-boki.hatenablog.com