電子記録債権とは?
電子記録債権はデジタル版の手形
電子記録債権ってなに?
前回、「約束手形とは?」でも少し話したけど、手形のデジタル版だよ。インターネットなどを使った債権で、手形の代わりに普及しているよ。
約束手形は2026年を目処に廃止されるんだったね。これからはデジタルの時代だね。
うん。電子記録債権は、電子記録機関というところの記録原簿に記録することで発生するよ。
データとしてコンピュータに記録されるんだね。
そういうこと。メリットとしては、事務手続きが減ったり、印紙税が節約できたり、紛失や盗難のリスクが無くなることなどがあるよ。
デジタル化のメリットだね。電子記録債権に限らずそういう時代の流れだよね。
電子記録債権の勘定と仕訳
では、仕訳の話をしていこう。「電子記録債権」勘定と「電子記録債務」勘定を使うよ。
債権は権利だから、「電子記録債権」は売掛金とか受取手形勘定みたいに資産の勘定として使うのかな。
その通り!そして「電子記録債務」は買掛金や支払手形と同じように考えればいいよ。
負債になるんだね。
たとえば売掛金があって、それを電子記録した場合は、売掛金勘定から電子記録債権勘定に振り替える。
記録した時に振替の仕分けをするんだね。
ちなみに、貸付金や借入金なども電子記録債権としての記録ができるんだけど、その場合は「電子記録債権」勘定は使わずに「貸付金」や「借入金」のまま表示するから気をつけて。
え、なんでだろう。
電子記録債権の処理方法は、手形の処理方法が元になっていて、手形の場合も、貸付金や借入金のときは貸付金、借入金に含めて表示しているからそれに合わせたルールになってる。
そうなんだ。気をつけなきゃ。
電子記録債権の仕訳の練習
練習してみよう。まずは、商品1,000円を掛けで売り上げたときの仕訳をしよう。
ふつうに売掛金の仕訳だね。
(借方) (貸方)
売掛金 1,000 / 売上 1,000
ではそれを電子記録債権としての発生記録をしたときの仕訳をしよう。
(借方) (貸方)
オッケー。ではその代金が当座預金に振り込まれたときの仕訳をしよう。
(借方) (貸方)
電子記録債務の仕訳の練習
では、さっきと同じ取引で、相手側の仕訳はどうなるかな。商品を仕入れた側の仕訳。
掛けで仕入れたから買掛金が増えるんだね。
(借方) (貸方)
仕入 1,000 / 買掛金 1,000
電子記録したから、買掛金を電子記録債務に振り替える。
(借方) (貸方)
買掛金 1,000 / 電子記録債務 1,000
電子記録債務の1,000円を当座預金から支払った。
(借方) (貸方)
電子記録債務 1,000 / 当座預金 1,000
貸付金を電子記録したとき
じゃあ現金2,000円を貸し付けたときの仕訳をしよう。
貸付金だね。
(借方) (貸方)
貸付金 2,000 / 現金 2,000
その貸付金を電子記録債権として記録したときの仕訳は?
貸付金はそのまま表示するから振り替えないんだよね・・・?
うん!気付けたね。そのときは仕訳は無しでいいよ。
まとめ
- 電子記録債権は手形のデジタル版。約束手形の処理方法と似ている。
- 売掛金を電子記録した時は、電子記録債権に、買掛金の場合は電子記録債務に振り替える。
- 借入金や貸付金は電子記録してもそのまま表示するので、電子記録債権・債務には振り替えない。
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